AMPについて(Activity Management Policy / Platform)

AMPのコンセプトは「人」と「人が生きていく上で必要となる知識・経験・事実」との向き合い方を考える中で生まれました。一つの仮説として、「人は、興味を持てるものがない状態では(他人事にするなどして)できるだけ無駄なエネルギーを使いたくない」…を設定しています。この仮説を念頭に周囲を見渡すと、「やれと言われたからやっているだけ」「新たに出会った事実を経験に反映しない」「せっかく得た経験を知識の更新・伝承に活用しない」「異分野の話だから関係がない」…など、分業化が進んだ産業界に蔓延する「閉塞感」の原因は、人の本質に関わるものかもしれないと考えるようになりました。

ものづくり世界は、教育による人能力の向上・安定化に加え、ある時点・ある地域の環境下で「ちゃんと考え」「緻密なルールを策定する」ことにより「与えられたルール以外を考えなくても良い領域」「閉じた世界」を作り出し「考えるべき対象の数を減らす」ことで(能力に限界のある)人の不安定要素が与える影響を軽減しバラつきの抑制を実現してきました。
しかしながら、調達可能な「機能」の動的組合わせによる「ビジネスの生成」、さらに、調達可能な「技術」の動的組合わせによる「実行機能の生成」が当たり前となる第4次産業革命の時代を迎える中で「ある時点での環境」の崩壊が始まり、閉じた世界において当たり前であった「与えられた作業手順への服従」(目的やルールの妥当性を考える必要が無い)がもたらす弊害が顕在化しつつあります。

AMPは、変化を繰り返す社会環境の中で「人が、もう一度ちゃんと考える」ために必要となる「人の活力・意欲の醸成」に向けて「知識・経験・事実との向き合い方」を整理する考え方と仕組みです。

 

何人かの方に同じコメントを頂きました

(1) 大事なことのような気がするが…「モヤっとしている…」
(2) 適用対象が「具体的なプロジェクト的なものであればイメージできる」
(3) 適用対象を「何らかの業務活動全般に広げた場合、どう考えれば良いか?」
     ↓
それぞれを以下のように捉えています

(1) モヤっと…という言葉でAMPの「本質」(固定的ではないこと)を「感じて」頂いている
(2) 例えるなら「古典論」の世界
  → 予め決められた目的・手段・道具・材料から成る
「閉じた世界」における探索学習・仮説検証

(3) 例えるなら「量子論」の世界
  → 確率密度分布のように(観測により初めて実体が決まる)
「モヤっとした世界」における探索学習・仮説検証

業務活動全体は「ある特定の形」を持たない「モヤっ」としたもので、その中で「時々の状況に応じて毎回異なる個々の業務実体」が生成され、終了すれば廃棄されることが繰り返されます。
     ↓
日本のものづくり世界に「古くから根付く感性」(すり合わせ)に通じるものと考えています。

 

AMPは、日本のものづくりに関わってこられた先人の「感性」を(ものづくり世界に限らず)日本の発展のために「継承」するための考え方・仕組みでもあります。ゆえに「新しさ」を提供するものではありません。AMPは、人と「共に成長」し、人に「健全な不安」を与えながら、人の中に「探索意欲を醸成」することで、人の仕事に対する向き合い方・姿勢に活力を与え、活気に溢れる企業活動へのトランスフォームを目指すものです。

AMPは、自立した人間になるための要諦である「もう一人の冷静な自分」を生み出すための土壌でもあります。これで良いことにしておこう…と思考を放棄するのではなく「ちゃんと」考えることが日本人らしさです。但し、上述の通り「考えるべき対象」が肥大化する現状では、人の能力限界を補完する機能が必要となります。それゆえ、AMPは「人の叡智」と「人が生み出し日々進化させ続ける技術」の出会いを育む場所でもありたいと考えています。